kimamaにっき

1980年代生まれ 3児の母。UNISON SQUARE GARDENがお好き。GLAYは落ち着き気味。そのほかEテレ、音楽聴いたり読書したり。

『君の膵臓をたべたい』

f:id:krtek072431:20161007010229j:plain

この衝撃的なタイトル。
最初に目にした時と、読み終えた今とでは、重みや印象が、まったく違う。
2017年に映画化が決まったそうで!
観たいような、イメージのままで心に留まっていて欲しいような…
 
私情を述べるのであれば、感傷的になりたい気持ちで読み始めてしまったばかりに、
その期待値が高過ぎて、思ったほどの感動や切なさを得られず、わずかながらに不満が残った。
とは言え、イイお話でかなり好きな一冊になったので、感想を書いていきます。
 
【簡単なあらすじ】
病院ロビーのソファに置き去りにされていた一冊の本。「共病文庫」と題されたそれには膵臓の病気で余命宣告された誰かの日記が記されていた。
その病気を患う張本人がクラスメイトの山内桜良であることを知った“僕”と、彼女の物語。
 
【感想】
誰かが居るおかげで自分があると考えて生きている桜良。誰も傷つけないように人を避けて生きている“僕”。
そんな2人が とにかく愛おしくて、気持ちを傍らから見守るようにして、一気に読んだ。
冗談に隠された 見えそうで見えない本音。
そこから「友達以上恋人未満」な 焦れったい雰囲気が漂うけど、それとは違う優しい関係。
とてもとてもイイなー。
2人で話している様子は、マヌケなのに時に容赦がなくて、ほっこりしたりひんやりしたり、いろんな温度の空気の流れを肌で感じるようだった。
 
それから物語が進むに連れて変化する“僕”の書き表し方。そこと物語の中から得る情報で本名を推測するのがまた楽しい。
187ページの最後のヒントで必死に考えたけど、わからなかったー。
文字っていろんな表現が出来るんだなぁと、改めて思ってしまう。
 
生きていることに感謝したい。
健康体のワタシが言っても説得力のカケラが微塵もないけど、いつどういう形でお別れになるのかなんてわからない。
人を思う幸せであたたかな気持ち、相手に届くように、ちゃんと伝えよう。
 
何気なく過ごしている毎日を見直したくなる一冊でした。