kimamaにっき

1980年代生まれ 3児の母。UNISON SQUARE GARDENがお好き。GLAYは落ち着き気味。そのほかEテレ、音楽聴いたり読書したり。

『奇想博物館(暗がりの子供)』&『夜のピクニック』

先日、姉がスピッツのコンサートに行った。いいなー誘われたかったぞ。
アルバム「醒めない」いいね。
 
 
9月は本を読む時間が上手にとれました。嬉しーい。
 
とてものんびり読んでいたもので、奇想博物館をようやく全部読み切ることができた。
並行して数冊を読んでいると、短編集は後回しになりがちで、かなり長い期間に跨ってしまった。
「裏切られた!」とか「あぁ面白かった」と思える作品が多くて、出逢えてよかった一冊でした。
 
中でも、『道尾秀介/暗がりの子供』が、とても好きだった。
【簡単なあらすじ】
莉子は小学3年生。図書館で借りた「空とぶ宝箱」という絵本を読みながら、1人でおばあちゃんのお見舞いに病院に出掛けるが
その途中、バスの中に絵本を忘れてきてしまう。
想像を膨らませ、気になっている物語の続きを書いているうちに、絵本の主人公 真子と話せるようになり…
【感想】
莉子と母親の間に感じる不和。
どんな展開になるのかハラハラして、その先を文章から読者に想像させるのがうまい。
読んでいた時、心が荒んでいたので悪い方に悪い方に…考えて読んでしまったけど、
いいなー。こういうの大好き。
この作品の中心である絵本「空とぶ宝箱」の内容もほんわかしていて、心に沁みた。
 
 
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読後の感想を、もう一冊分。
【簡単なあらすじ】
西脇融、甲田貴子の通う高校は修学旅行がない代わりに、24時間かけて80kmを全校生徒で夜通し歩く、歩行祭が実施される。
2人の男女は誰にも悟られぬようそれぞれに内に秘めた思いを抱え、歩行祭に臨む。
お互いの気持ちが揺れ動くさまを描いた純情ストーリー。
【感想】
この物語でやっていることと言えば、ただ歩いている。それだけ。
こんなあらすじではわからないと思うけど、読み終えた後は胸がスーッとした。
あと舞台や演劇なんかで表現しやすいストーリーだなぁと思った。
ただ歩いているだけなのに、その中で展開される融と貴子の心身的な変化。
体は疲れていくけれど、少しずつ近づいていくものがある。
ゴールへの道、2人のゆっくりと変化する心と、物理的な距離。
それぞれが次第に寄り添っていく様子が、とても清々しい気持ちになる。
 
夜通し歩いていたら、考えなくてもいいことまでも考えてしまいそうだけど、
思う事柄に自分の中できちんとした答えを見つけることができそうで、気持ちの整理をするには良さそうな「歩き続けること」。
合わせて「ただひたすらに何かを考える、何かに思いを巡らせる」という行動を昨今したことがないだけに、
そういう時間が持てることが贅沢で、たまにはしてみたいなぁと思う。イイ学校行事だね。
考えたいことがある訳ではないので、何に思いを巡らせるのか、まずはそれを考えながら歩き始める。
 
似たような行事が中学時代にあったけれど、距離が短かったことと、
中学生の私はただ友達と馬鹿を言いながら、歌なんかうたいながら(光一郎みたいに)歩いただけの記憶しかない。
その頃にこの本に出逢っていたら、何かが変わっていたかもしれないなー。
 
 
 
姉妹ってイイね。ワタシも姉が大好きです。スピッツ誘ってもらえなかったけど。
自分の子らにも、大好きなお兄ちゃん、大好きな弟の関係でいてほしい。
と思わずにはいられなかった母でした。