『スロウハイツの神様』
寝る時間を削る以外にも本を読む まとまった時間が欲しいなー
と思いながら、読書をしています。
【おおまかなあらすじ】
「スロウハイツ」という、クリエイターが集うアパートに暮らす、脚本家や画家、作家たちの話。
夢を追い、それぞれ思い描いている先や作品を作り上げるまでに、どんなものが心の支えになっていたのか。
それらが登場人物のいろんな視点で書かれています。
長い。長かった。読むのに費やした時間が。
登場人物が多いことと、物語の中で時間が行ったり来たりすることが多々。
読んでいても誰がどのタイミングでどういう会話をしているのかが、しっかり把握できなくて途中途中で億劫ながらも何度も読み返した。
視点の多さで誰が主人公なのかがハッキリせず、感情移入がしにくかったり。
上巻 第四章終わりまで読むのに上述したとおり、タラタラ読んでいたから1ヶ月くらい。
ここまで160ページ。
展開が大きく動く様子がないのに「この先400ページ近くあるよ…」と思ってしまったこともあり、読むのを半ば諦めてしまった感もあった。
でも、それ以降の上巻の残り80ページほど+下巻(317ページ)は
3日ほどで一気に読んでしまった。
特にエンヤが出ていき、加々美莉々亜が出てきてからが面白かったから加速度的に読み進めていた。
この辺りになると、それぞれの人の気持ちが良く見えるようになってきて、
“この人何を考えているのかな、気になる…”が増えてきて、物語に引き込まれていた。
上巻はかなり含みを持たせる文で締めているから、すぐさま下巻を手に取ってしまう。
下巻でも何度か読み返す部分があったけど、その作業が楽しくて。
第十章の桃花による環とのいろんな出来事の回想が一番の読みどころで、好きだなぁ。
それらを経て、最後はホッと胸を撫で下ろす情景で締めくくられていて、作品名にも納得。
読後感は良いんだけど、気になるのは“環は本当に気づいてないのかな?”ってこと。
どうなの、コウちゃん?モヤモヤ。
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読んだきっかけは
田淵が会報で言っていたのもあるけど、同著者の『朝が来る』を読む前に
人気の作品を読んでみたいなぁと思ったから。でした。